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【修羅場】明るくてブラック【修羅場】明るくてブラックなSEの世界。社員が失踪したと思ったら、次は俺自身が俺を追い詰めてしまった

考えていない設計者に「間違っている」ことを指摘しに行かなければならなかった。

ただ、メールしても届かない。

電話しても出ない。

放置していると他の開発会社から怒られる。

どうしたらいいのか悩んでいる時に

共に解決に向けて勢力を尽くしてくれたのが失踪した社員だった。

事態は一向に良くならない。

1000あるテーブルはどんどん増えていく。

これを使ってSQLを作るが、そのSQLの大半が自動生成のSQLで、

誤ったテーブルのまま自動生成されていく。

俺の次の仕事は、この誤ったSQLを見つける事だった。

地獄だった。

毎日生成し、毎日誤りを発見しなければならない。

山のような小豆の中から、腐った小豆を見つけ出せ、

と言われているようなものだった。

見つけ出すツールはあったが、精度が悪過ぎて人間の目で見る方が良いという

酷い有様だ。

生成したSQLに誤りがあれば

開発会社からクレームが来る。

クレームが来たものを優先的に直す。

そうしてまたクレームが来る。

直す。

クレームしかメールに来なくなった。

社員は笑わなくなっていった。

俺も笑わなくなっていった。

そうして、ある日俺は発作を起こした。

電車の中で、右胸に激痛がはしって息が出来なくなった。

倒れるのは免れたが、その後も痛みは治まらなかった。

仕事中も激痛が走るようになり、職場で倒れかけたために

俺は救急車で運ばれた。

特に異常はなく、ゴミ箱的病名である「肋間神経痛」という病名を頂いた。

救急車で運ばれた事により、俺は本社から帰還命令が出された。

俺は安心ほっとした半面、

このクレームのメールを俺以外に誰が処理するのか心配になった。

もちろんそれは、社員だ。

だが社員はもう俺と同じく倒れる寸前だった。

毎日、顔面は蒼白だった。

昼休みは突っ伏していた。

ただ、残業は多くなかった。それだけが救いだったと思う。

だから俺は仕事の内容を誰にも判るようにまとめる作業に入った。

他の誰かがやってくれるだろう。

甘く考えていた。

俺がその現場を去った一週間後に、同じ現場だった奴からメールが届いた。

「社員の行方を知らないか」

何の事だか判らなかったが、

「離脱した後、特に連絡は取っていない」

と返答をした。

そうして、すぐに返ってきたメールは

「社員が失踪した」

だった。

前日は特にこれといって変った事はなかった。

いつも通り、疲れた顔をしてPCと睨み合っていたという。

ただ、その日は皆残業をせずに帰った為、

社員が最後に退室したらしい。

携帯を会社の机の上に置いたまま、

机の上は乱雑に散らかったまま、

社員は来なくなった。

仕事は、俺が残したドキュメントで何とかなっているという。

ただ、細かいところが判らないから教えてくれと連絡があった。

俺も社員を期待して作ったドキュメントだったので、

社員がいなくては回らないことを察して仕事の合間に連絡を取った。

そうしてようやく自分たちが置かれていた立場を

他の社員たちに知らしめる事が出来た。

俺達の仕事は、人間が耐えられるものではなかったと。

1000を超えるテーブル、10000を超えるカラム。

めちゃくちゃな設計。

クレームの嵐。

だが、知らしめたといっても社員は帰ってこない。

俺も戻れない。

ひょっこり現れるだろう。

その時理由を聞いて、無断欠勤については咎めよう。

そう思っていたようだったが、一向に社員は戻らない。

一人暮らしだったらしいが、住居の電気メータはゆっくりとした動きで、

夏だった当時、窓も開けずにエアコンも付けていないとは考えられず、

中に人はいないと判断した。

会社は実家に連絡をとったが、「こちらには連絡がない」と返答された。

事態は思ったより悪かった。

会社はそれ以上手を出す事が出来なかった。

失踪にせよ何にせよ、家族の判断が必要で、

部屋に入る事も出来なかったからだ。

だが、家族に詳細を話した上で、連絡が無かった三日後、

家族が警察に失踪届けを出した。

もしも今の時代ならtwitter何かで呼びかけたかもしれない。

会社の上司たちはその上からお叱りを受けたと聞くが、

そんな事で社員が戻るわけじゃない。

ましてや、主力の二人が抜けたクレーム対応は悲惨なものだったと聞く。

そっちの対応もしないといけなかった。

俺はその現場から離脱していたから、

その話は伝聞でしかないし、もしも最悪のケースだったら俺のところには話は来ない。

そう思っていた。

家族が上京し、管理人(か大家)に事情を話し、鍵を開けた。

社員は部屋にいた。

ベッドに寝たまま、意識不明の重体だった。

失踪から発見までは大体一週間だったと思う。

正確な日数はわからないが、そんなに長く無かったから良かった。

社員は失踪ではなかった。

部屋にずっといた。

ただ、起き上がる事が出来なかった。

それだけで、エアコンをつけていない締めきった部屋の中に一週間いた。

夏場の、一週間を。

社員が携帯を忘れたのは事故だった。

起き上がれない時に携帯が身の回りにあったらこのような事態にはならなかった。

社員が心配した社員の来訪に対応できなかったのは倒れていたからだった。

ただ、その時会社の人が来てくれた事によって自分は助かると思ったという。

実際は会社は手出しをすることが出来ず、その後も彼は放置された。

目を覚ましたのはそれから数日かかった。

そうして、体力が回復するとともに、彼は別の病院に入院した。

精神科だった。

社員の精神はズタズタだったのだろう。

仕事でもそうだったし、

会社の人が助けてくれると思ったのにもかかわらず助けが来なかったからか。

とにかく、彼は狂ってしまった。

詳しい病状は教えてもらえなかった。

そうして、俺の担当していた仕事は山場を越えた。

管理方法ももっと良い手段をとるようになったという。

だからそれ以降の連絡は取っていない。

落ち着いたから飲みに行くか、と当時のメンバから連絡があったがそれは叶っていない。

ブラックではなかった。

良い会社だったと思う。残業代は出ていると思う(俺は会社が違う)

ランキングでは上位に入っているし、実績のある会社だった。

プロジェクト単位のリフレッシュ休暇もあった。

ただ、運が悪かった。

俺が倒れたから。

俺のせいだった。

もしも、俺がもう少し精神的に強くて、

ストレスから肋間神経痛を発症しなければ、社員の人生はまだマシだったのかもしれない。

俺の肋間神経痛は今も治っていない。

少しでもストレスを感じると激痛が走る。

その度にこの事件を思い出す。

俺が社員を追い込んだのだと。

そうして、俺が失踪していたかもしれないのだと。

その強迫観念は知らず知らずのうちに自分の精神を壊していった。

社員の人生をダメにした、

俺が社員を台無しにした。

俺は知らないうちに車道に飛び出すようになった。

会社の前にある信号待ちの最中に、

俺は何度か車道に飛び出していた。

なぜ飛び込んだのか判らない。

ただ、何回かは同じ会社の人に止められ、

何回かは車が避け、

最後に轢かれた。

相手に過失は無かった。

信号待ち中のサラリーマンが飛び出すなんて夢にも思わないだろう。

幸い、命どころか怪我も右腕の打撲ですんだ。

偶然としか言いようが無い。

俺が悪い、俺が悪かった。

そうして俺は、鬱と診断された。

俺は仕事を辞めた。

病気を治さないといけないと言われた。

俺は、結局社員と同じ道を辿った。

そうして、俺は俺を縛っていた呪いから解かれた。

「俺も社員も、結局助かる道は無かったんだ」

俺は自分を責める事を辞めて、ようやく病気から解放された。

逃げだと言うかもしれないが、

逃げなければならなかった。

それを間違っているとは思わない。

思ってはいけないと言われたのもあるが……。

俺は再就職して、

結局今もSEをやっている。

ただ、俺はただ一つ「No」と言うようになった。

少しでも俺に残業の気配が近づくと俺は「無理です」と言う。

それに文句をつけて辞めさせるのならばそこはブラックだと、上から見るようにした。

偉そう、と思うかもしれない。

でもそれは違う。

『生きたい』

だけだ。

SEは特殊だ。

奴隷だとしても、俺達は奴隷の仕事しかできない。

奴隷がいなければ、ネットの生活は成り立たない。

出来ない以上はやるしかない。

……こういう性格の人は気をつけろ。

死ぬ。

この話に死者はいない。

だから安心して読んでほしい。

少し疲れた。

もう二時間近く入力していたんだな。

ちょっとむしゃくしゃしてやったところがある。

お付き合い頂いてありがとう。

もしもSEになりたいという人がいるのならば、

俺は歓迎すると共に、『生きろ』とメッセージを残す。

……ブラック会社に勤めているんだが、なんて、

あんな明るいブラックは無い。

死なない仕事はない。

生き延びる事ができる仕事があるだけだ。

本当にありがとう。

そうして一人でもSEが救われる事を祈る。

社員の、未来を祈る。

(゚ω゚)でも、俺、SE好きだからな!

勘違いしないでよね、ブラックの為じゃないんだから!!

団塊とかよくわからない。

この業界、団塊はあまりいない。

だから、抵抗するやつがいないんだ……。

てか日本だけだからなぁこんなに働くの。

もはや生きるための仕事じゃなく、仕事のために生きてるようなもんだ

●コメント
てか日本だけだからなぁこんなに働くの。
もはや生きるための仕事じゃなく、仕事のために生きてるようなもんだ

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