*

【涙が出る話】高校の時、母が病気で亡くなり私は父に捨てられた。お金もなく追い詰められた私は体を売る決心をし、街に立って目をつけた男性に話しかけた。

立派なマンションに着いて、少し驚いた。

エレベーターで上がり、男の人は「ただいま」といってドアを開け

わたしに「上がって」といった。

「おかえり」と若くて綺麗な女の人が出てきたときはタヒぬほど驚いた。

「あら、こちらは?」

「俺もよく知らん。家出してきて困ってるらしい」

「ええ? あら、それは、えっと、あ、とにかく上がってね」

奥さんらしかった。すごく驚いて慌てていた。

先にお風呂をすすめられた。

その間に夫婦会議があったようだ。

わたしがお風呂から出ると、奥さんはすっかり落ち着いていて

「大変だったね。すぐご飯にするから」と笑いかけてきた。

こんな展開になるとは思わなかった。どっと安心した。

事情はきかれなかった。

でも黙っていたら怪しまれるし、間が持たない。


食後のお茶の時間、わたしは勝手に自分の事情を説明した。

時々、質問された。2人とも真剣にきいてくれた。

奥さんは口に手をあてて「つらいわね」と涙声でいってくれた。

旦那さんも「つらいな、それ」といって黙ってしまった。

わたしは思わず泣き出してしまい、ご夫婦はわたしが泣き止むまで

長いこと待っていてくれた。

それから覚悟を決めて、旦那さんに円光を持ちかけようとしたことを謝った。

信じてもらえる自信はなかったけど、今回が初めてだと必タヒに強調した。

怖かった、もう二度としないと言った。

奥さんは「ああ、そういうことか」と旦那さんの方をちらっと見て笑った。

「成功してたら旦那とあなたをグーで殴るとこだった」

「もうこんなこと考えるのもだめ」

優しく言われた。怒られはしなかった。

「ごめんなさい」と繰り返して、また泣いた。

旦那さんは30歳、奥さんは24歳。新婚さんだった。

「落ち着くまで泊まっていくといい」

お言葉に甘えることになった。

翌日、学校の先生に連絡をいれてくれた。

「そうですか、よろしくっていわれたよ。冷たいもんだな」

旦那さんは苦笑いしてた。騒ぎになってなくてよかった。


「のんびりしててね」

何日かはそうした。

いつまでも何もしないでいると申し訳ない。

奥さんの家事を手伝わせてもらうことにした。

奥さんは優しくて明るくて、急に姉ができたような気がした。

2人並んで旦那さんに「いってらっしゃい」「おかえりなさい」を言うようになった。

「不思議な光景だな」と旦那さんは笑った。

ご夫婦に相談に乗ってもらって、今後のことを話した。

「地元が嫌ならこっちで職探ししたら? こうなったら最後まで協力するよ」

そうしますといって卒業式に出るために一度帰宅した。

お寺に行って母のお墓の供養のことを頼んだ。

卒業式の後、安い菓子折りを持って、近所や学校の先生や友人宅に挨拶回りした。

父には「○○で働きます。引っ越すので後始末よろしく」とだけ連絡した。

みんな旦那さんのアドバイスに従ったこと。

「それでいい。けじめは大事だよ」と旦那さんに言われた。

父からは卒業祝いか手切れ金か、いくらかお金が振り込まれた。

「いまさら」と腹が立った。

「無視されるよりましだと考えたら」と慰められた。

そのお金で引越しができた。

ご夫婦の近所のアパートを紹介してもらった。

心苦しかったけど、お金を借りて敷金と礼金を払った。

アルバイトはすぐ見つかった。

バイトしながら正社員の口を探す日々が始まった。

最初は疲れてしまって、食事はご夫婦のお世話にばかりなっていた。


奥さんが何かと物をもってきてくれた。

2週間くらいで体が慣れて自活できるようになった。

今はある会社で経理事務をやっている。

節約すれば貯金もできる。

正社員として決まったとき、ご夫婦はすごく喜んでくれた。

「娘が独立したみたいだ」と旦那さんは笑った。

「妹でしょ」と奥さんも笑った。

「俺が12歳のときにできた娘」と旦那さんがいった。

年齢でいえばそうなる。

ご夫婦にいろいろ借りてしまったお金も少しずつ返せている。

まだ先は長いけど。

どうしてこんなに親切にしてくれたのか聞いたことがある。

「たまたまだよ」と言われた。

「誰でも助けるかというとそうじゃないが。でも放っとけない」

ご夫婦のこともいろいろときいた。

わたしほどじゃないけど、お2人ともあまり良い家庭環境ではなかったこと。

それで意気投合して温かい家庭を作ろうと、奥さんが卒業してすぐに結婚したこと。

「そうは見えません。奥さんはずっと幸せに育ったお嬢様みたい」というと

「あら嬉しいことを」と奥さんは笑った。

「俺のおかげだな」と旦那さんがいった。

「でもね、きみには悪いけど、俺たち、きみ以上にきみのお父さんを

嫌いかもしれないよ」と言われた。

「子供捨てるような親はね、大嫌いなんだ」と旦那さんがいった。

奥さんが頷いて、わたしの方を見て「ごめんね」といった。

今でもご夫婦のお宅をたまに訪ねている。

仲良しのご夫婦を見るのが好きだから。

自分の両親も昔はこうだったと思うとつらくなる。

でも、このお2人のおかげで将来は自分も温かい家庭を持ちたいと思うことができる。

わたしには母がいた。亡くなってしまったけど優しかった母。

優しかった父はどこかに消えてしまった。

かわりに6歳年上のお姉さんができた。

12歳年上のお父さんもできた。

以上です。


●コメント
たまたま遅く帰宅したおかげで、リアルタイムに読ませていただきました。
エエ話や ・゚・つД`)・゚・

●コメント
いい話すぎて泣いた

●コメント
つらすぎるよ・・・。
仕事、がんばってね。そのご夫婦にGJ!

●コメント
じゃあ今度はその方達から貰った優しさを誰かに分け与える番だね。
優しさって、その相手に返すものじゃなくて、きっと順番に回していくものなんだろうね。

●コメント
本人もいい子でご夫婦もいい人で泣いた
三人がいつまでも幸せでいられるよう心から祈っているよ

●コメント
なんかね、人間ってね、捨てたもんじゃないなってね、思うよね。

引用元: ・いい人・やさしい人のお話 16
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/kankon/1229069011/

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